研究開発計画

(スモールスタート期間、令和4-5年度)

研究統括

グループリーダーを中心として研究統括グループを構築する。研究総括グループの打ち合わせ、およびプロジェクト全体会議を開催し、研究の進捗を管理しグループ間の調整を行う。市民・社会との対話のためにウェブサイトの立ちあげとシンポジウムをオンラインで開催する。

研究開発要素①
「労働者の孤立・孤独メカニズム理解とこれを生まない新たな経営・組織像」

1) 「いきいき・つながり職場づくり」の概念枠組みの開発
経営団体、労働組合、企業の人事労務担当者や産業保健専門職、行政(厚生労働省、経済産業省など)の代表者による関係者会議を設置し、「いきいき・つながり職場づくり」の概念枠組みについて意見交換する。関係者会議には、研究実施者による研究の進捗、民間企業や関連団体へのインタビュー調査の結果も情報提供し、議論を深める。検討結果に基づき、「いきいき・つながり職場づくり」の概念枠組みの案を開発する。

2) 職場における孤立・孤独メカニズムの理論的理解
職場における孤立・孤独メカニズムを理論面から理解し、また新しい理論・視点を追加するために2つの研究を行う。

  1.  学際的理論の統合
    職場での孤立・孤独の形成メカニズムに関連する主要理論を整理する。関連する理論先行研究をレビューするとともに、研究参加者から各専門分野の現状について情報提供してもらい、オールプロジェクト体制で関連理論の整理・統合を進める。
    米国の労働者を対象に実施した社会的格差の発生メカニズム理解のためのソーシャルネットワーク実験のデータを再解析し、ソーシャルネットワーク分析からみた労働者の孤立に関する理論的仮説を構築する。
  2.  離職者、マイノリティ視点からの検討
    離職者に対して質的なインタビュー調査を行い、企業・組織の中で孤立・孤独に追い込まれ離職した者の経過やパターンを理解し、職場の孤立・孤独発生のメカニズムに理論的な補足を行う。

 

研究開発要素②
「労働者の孤立・孤独リスクの可視化と評価指標の開発」

職場の孤立・孤独と関連する組織要因および労働者の行動データを同定し、職場の孤立・孤独リスクの評価指標候補となる組織要因、行動データを明確にする。

1) 孤立・孤独リスクと関連する組織要因の解明と評価指標の開発
労働者の調査データ解析し、職場の孤立・孤独リスクと関連する組織要因を同定する。結果に基づき、職場の孤立・孤独リスクの組織要因に関する指標候補を同定する。

2) 行動データによる孤立リスクの可視化と指標開発
部署内での位置情報(フリーアドレスを含む)、オンラインコミュニケーションツールにおけるコミュニケーション行動データ、メタバース・バーチャルオフィスにおけるコミュニケーション行動データを収集し、労働者の孤立の早期サインや特徴的なパターンを予備的に解析し、職場の孤立・孤独リスクの評価指標を提案する。

 

研究開発要素③
「労働者の孤立・孤独を予防する介入手法の開発」

ポストコロナ時代における職場の孤立・孤独を予防する介入手法を組織、管理監督者、個人の3つのレベルで新たに開発し試行する。本格研究開発期間におけるPoCで使用する介入プログラムの案を完成し、その効果を予備的に検討する。

1)組織レベルでの介入手法の開発と効果評価
職場の孤立・孤独を予防するための組織レベルでの対策プログラムを開発する。前後比較試験によりその効果を予備的に検証する。

2)管理監督者教育の開発と効果評価
職場の孤立・孤独を予防するための管理監督者教育を開発する。

3)個人向けプログラムの開発と効果評価
認知行動療法等の心理療法に基づき、労働者の孤独の予防・改善プログラムを開発する。このプログラムが孤独を表象する脳部位の活動に与える効果を少数の被験者の前後比較デザインで検討する。
テレワークで働く労働者向けに、身体活動を中心とした孤立・孤独を予防するプログラムを開発する。作成されたプログラムをテレワーク労働者に施行して、前後比較研究のデザインにより孤立・孤独の軽減効果を確認する。